国分寺フレーバーライフ社本社ビル
KOKUBUNJI FLAVORLIFE CO.,LTD. HEADQUATERS BUILDING

第21回木材活用コンクール 最優秀賞|農林水産大臣賞 / ウッドデザイン賞 2017
日本建築学会 作品選集2019 / JIA建築年鑑2018

平成27年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)採択プロジェクト

既存の構法を改良して木造オフィスビルの普及型モデルに

今後の都市において街の特徴となるべき、木材がもたらす都市景観のモデルとして、また、適正なコストで設計も施工もし易い普及型都市木造モデルとして計画された、国分寺駅近傍に建つ国内初の7階建木質ハイブリッドビル。大消費地である都市での木造中高層建築、そして民間の事業者による木造ビル、木造オフィスビルを身近なものにしていきたい、そんな思いを事業者、設計者、施工者が三位一体となって実現したプロジェクトです。
鉄骨内蔵型の木造耐火部材である木質ハイブリッド集成材の特徴を活かし、7階建ビルを構造的にオール鉄骨造とすることで設計と施工の簡潔化を実現。また、木質ハイブリッド集成材と一般耐火被覆が同一階で混在できるようにすることで、コストの掛かる木質ハイブリッド集成材を見える部分に限定して使用可能に。また、複雑な製造工程によるコスト高を解消するため、鉄骨接合部にはノンブラケット工法を採用。集成材工場での部材製作の簡易化、製作時間の短縮、部材運搬の効率化によるコストダウンを実現。こうした一連の改良に際して課題となる耐火性能について、幾つかのパターンを想定して耐火性能検証試験を実施し安全性の確認を行い、誰もが簡単に使える都市木造の構法の確立に成功しました。
目新しいデザインでなくスタンダードなデザインの洗練、既製品を活かしたデザインを心がけています。木部の現しを生かすディテールとして床吹出空調を採用するなど、既存の技術やデザインを選択、改良することで、皆が使い易い普及型モデルを分かりやすいかたちで提示することを目指しました。

撮影:淺川敏

 








 

発注者 :フレーバーライフ社
用 途 :本社オフィスビル
所在地 :東京都国分寺市本町
設計監理:スタジオ・クハラ・ヤギ + team Timberize(建築・設備監理), KAP(構造)
     安藤・間設備設計部(設備設計・設備監理アドバイス), 桜設計集団(防耐火)
施 工 :住友林業(建築), 西部技研工業(空調・衛生), 藤井電気(電気), 中東(集成材製作)

敷地面積:180.80㎡
建築面積:103.52㎡
延床面積:605.70㎡
階 数 :地上7階
構 造 :鉄骨造・木質ハイブリッド造
設計期間:2015年10月 ~ 2016年8月
工事期間:2016年10月 〜 2017年7月

掲載誌:新建築2017年11月号, 日経アーキテクチュア2017年5月11日号|2017年9月28日号, 東京人 2017年8月号,
CRE Review vol.23, 建築技術2017年11月号, 公共建築2018年4月号, 近代建築2019年4月号, 住宅と木材2019年10月号,
建築ジャーナル2019年11月号|2020年2月号

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